ヴォーカルレッスン

降りしきる雨

さーさーと耳に障らないほどの音を立て

 

昨日忙しかったこともあり

気だるい今日の気分にちょどいい。

カフェオレとアーモンドチョコを

ぼんやりと窓の外を眺めながら飲んで食べて

くつろぐ。

軽い花粉症のせいか喉が乾く。

濃いめの日本茶を飲もうと台所に行き準備をしていると

雨音を柔らかく貫き響く澄み切った声。

ケキョケキョケキョケキョ

ホケキョケキョケキョケキョキョキョキョ

ケキョケキョキョキョキョキョキョ

みたいに続く。

時折、ホーホケキョと聞こえるので

うぐいすだろうと見当がつく。

台所は隣家の大きな木がすぐそばにあるので

多分そこにいるのだろうと

勝手口から顔を出し

そうだ雨だと

パーカーのフードをかぶって顔を出しなおし

耳を澄まし目を凝らしてみたが

見つけられなかった。

すぐに諦め中に引っ込み

鳴き声を楽しむことに。

人が歌の練習で

あーあーあーあーあー

あーえーいーおーうー

とかするような感じで

キョケキョケキョケキョケ

とやっているように聞こえてくる。

いつまでやるのかと時間見ていたら

20分ほどしたあたりから聞こえなくなった。

雨もひどくなってきた。

今日の練習は終わり

ということなのかな。

雨の日にこっそり一人練習して

晴れ渡る空の下で

ロングトーンを美しく響かせて

仲間をまた人々をも驚かせ喜ばせようと

思ってたりして。

 

と一人にやける

春雨の午後。