朝
午前6時前、ブラインドを開けて窓の外を見る。
低く垂れ込める雲
地上との隙間から明るさが漏れる。
まるで水墨画のよう。
一羽のカラスがその絵の中を飛び回る。
カラスの黒さが引き立ち
絵を引き締める。
晴れた日に見せる鮮やかな色を思い出す。
別世界だ。
『んがー、んがー』
とカラスの子供達が繰り返し鳴いている。
たまに『がー』と親が鳴く。
どこの世界も子供は賑やかなようなのが
嬉しい。
小鳥が『ち、ちっ』とか『ちゅぱ、ちゅぱ』とかさえずる。
鳥の名前がわからないのがじれったい。
『ほ、ほ、ほほー』と鳴くのはドバトらしい。
今日もいつもの朝が始まっている。
いつもが続くという当たり前に感謝して。