秋風

家中の窓を開け放ち

心地よい風が家を駆け巡る。

観葉植物の葉が揺れ

愛犬はこの上なくくつろいでいるように見える。

こんな日にはクラッシックの優しい音色が聴きたくなる。

あまりの気持ち良さに庭に出て

雑草を抜いたり

買ってきていたビオラのポットを鉢に植えたり

伸び茂ったハーブを収穫したり。

するとたちまち蚊の餌食となり

家に戻りムヒを滴るほど塗る。

冷やしていたぶどうを食べながら

再び家の中を流れる風と音楽に浸る。

今日のような日の海辺はどんな風が吹いているのだろうか

と思いを馳せては

行こうかな、今から。と一瞬思うも

行き帰りの渋滞のリアルな想像が気持ちを遮る。

 

秋風に満足しきった愛犬が目にはいると

思わず笑顔になる。

穏やかな秋の日を

穏やかに過ごせるこの幸せを

今一度かみしめて。